今回のオリンピックでは、日本人選手が様々な競技で活躍していますが、ちょっと感動したのは
アーチェリー。男女ともにメダルを獲得しました。万歳!!・・・
しかしなぜかフライのキャスティングと結び付けてしまう自分に気が付きました。
的がライズリングに見えたのは私だけでしょうか。
スローモーションで放たれた矢が振動を繰り返しながら放物線を描いて的に向かう姿は、
フライラインがシュートされる時の感覚を思い起こさせます。
オリンピック競技の場合、アーチェリーは70メートル(76.6ヤード/201フィート)
先にある122センチの的を狙うのだそうですが、的に書かれた円の隣との幅は6.1センチ。
つまり10点の直径は12.2センチしかありません。
ほんなかいな??コーチの人たちが望遠鏡を覗いて、的への当り具合を確認する理由がわかりました。
フライでもディスタンス競技があって、シングルハンドで60メートル以上の飛距離を競いますが、
アキュラシー競技では8~15メートル先にある的を狙うというように、実際の釣りに即しています。
またアーチェリーの試合では、相手が矢を放ってから20秒以内に自分の矢を放たなければなりません。
これってライズを発見したら比較的短時間でそこにフライを打ち込む感覚に似ていませんか?
尊いオリンピック競技を引き合いに出すなど不届き千万、ここまで引っ張って何を言いたいの・・・
そう、フライロッド(バンブーロッド)は弓と同じである。
そんなの当たり前だ。両方とも狩猟道具として、いかに効果的かつ効率的に獲物を捕らえるのか、
という実践の歴史から研ぎ澄まされてきた道具です。
もちろん近代はスポーツとしての要素が加わり、また素材の大きな発展もありましたが、道具としての基本的な目的に変わりはありません。
バンブーロッドはその素材ゆえに道具として原始的であり、その素材ゆえに奏でるテンポが私の逸る心を静めてくれるのです。
自分が目で追う的(目標ポイント)に対するディスタンスとアキュラシーの2つのベクトルを判断し、一息心を落ち着けて、キャストします。
その思いが伝えられるロッド、その思いを受け止めてくれるロッド、それが自分にとっての良いロッドです。
マイク・クラークの今回のロッドは、自分の金メダルを叶えてくれるお気に入りになりそうです。