Quantcast
Channel: シェフのフライロッドの世界
Viewing all 265 articles
Browse latest View live

ビルダーさんと一緒にFF Kada Rod その2

$
0
0






良いビルダーは良きキャスターであり、良き釣り人でなければなりません。

ロッドビルディングには理論的な背景がいろいろあっても、最後は人間の五感に頼る部分が

多いものです。

そしてこの五感は明らかに自らのFFの経験に基づきます。

そういう意味では実践的なFFをどれだけ経験しているのかが、ロッドのパフォーマンスに

大きく影響してきます。



今回の釣りはKさんの製作したロッドのうち#3向けに修正されたギャリソンのテーパー(193と201)

に基づく2本を試す場でもありました。(実は201は昨年Kさんから譲っていただいたロッドです)

Kさんのキャストを見ていると、タイトできれいなループがフィードレーンの先にきれいに

決まっていきます。

無駄がない、力が入らない、そして最後のターンまで神経の行き届いたリリース。

フライがターンしないロッドはだめです。

風が吹いても、障害物があっても、かならず一定の距離を保ってぴっちり投げ込みます。

なるほど、このキャストにしてこのロッドあり、このロッドにしてこのキャストあり。

どういう意図を持ってロッドを製作されているのかが良く伝わってきます。

ビルダーさんの素養に関して、いっしょに釣りをすることで、さらに理解が深まりました。



修正193にはテレンツィオのシルクの#3、修正201にはCortlandのSilkyline#3を乗せています。

193とテレンツィオのコンビネーションは完璧でした。

一振りした瞬間に、キャッチャーに向かって球を投げるような、

ポイントに集中して投げ込めるという自信が伝わってくるロッドです。

201はオールマイティーにキャストを楽しめる私の大好きなアクションです。

つまり、投げ手の癖を素直に表現してくれるロッドで、投げ手に投げ方を強制しないロッドです。

SilkylineはPVながら、シルクのような細さと質感を持たせたバンブーロッドにマッチするラインです。

ただ本物のシルクよりは比重が軽く、風には負けてしまうところがありました。

穏やかな日にはパフォーマンスの優れたラインだと思います。




前後のキャストを繰り返し、シュートする決断のできない釣り人は、やたら素振りばかりして、

あるいはアドレスが長すぎて、なかなか球を打たないゴルフプレーヤーの如く、

ミスショットが多いものです。

いやいやそうではなくて、キャスティングの場合、前後に飛ぶラインの感触がこの上もなく

心地よいのです。




余談になりますが、フライフィッシングの場合、ちょっとしたミスショットならすぐに

打ち直しが利きますが、上方や後方の木の枝にひっかけたり、最悪ポイントのそばの障害物に

フライを掛けてしまうと、これはゴルフで言うところのOBとなります。

フライを無くして付け替える場合には、ゴルフで言うところの暫定球をその場で打ち直すことと

同じになります。

あるいはOBの結果釣り場が荒れてしまったら、前進4打ということで次のポイントへ移動します。

ポイントを狙って距離、方向、風等を頭に入れてキャストするところなど、

ゴルフはフライフィッシングに通じるものがあると思います。

考えて見ると発祥は両方とも英国ですね。



Kada rod、双方ともキャスティング能力に優れたロッドでした。

テーパーがいくら世に公表されていようと、実践的な道具としてフライロッドを纏め上げるには、

作り手にはそれなりのセンスが必要だと思います。

私にはとても無理です。

バンブーロッドは誰でもできる・・・バランスの良いロッドを作るという意味で・・・

ものではありません。

外見的な美しさという意味では、まだまだ進歩の余地はありますが、

それは今後の課題で、あまり心配する話ではありません。

機能的に優れたロッドは、試合にかならず出場する信頼のおける選手と同じで、

外見以上に可愛くなるものです。

Kさんは製作したロッドを何本も友人に渡しています。

マイク・クラークなり、チャリー・ジェンキンズもアマチュアビルダーから

トップビルダーになる過程は皆同じでした。

Kada Rodの将来が楽しみです。

残暑お見舞い申し上げます

$
0
0
 
怠けているわけではありませんが、アップが遅れ気味で恐縮です。
 
友人Todd Larsonのブログで見つけました。
 
よくできた広告です。
 
下手な私ならだめかも。
 
Toddさんの話は次回いたします。
 

日光へ再び

$
0
0






湯川と湯の湖に再び行ってきました。

今回はビルダーKさんといっしょです。

日光に向かう東北道は東京から湯滝までどしゃ降りで、どうなる事かと思いました。

川に立てば河童か、はたまた釣り人か、他人が見たら区別がつかないでしょう。

じょじょに雨も上がり、終日ハイカーの少ない湯川はとても静かでした。



今回はサマーズのミッジを持っていきました。

ラインは3Mのシャークスキン#3を乗せてあります。

リールはマーキスマルティプライヤー#4。



素晴らしいコンビネーションでした。

サイドキャスト、左肩越しのキャスト、ロールキャスト、リーダだけのプレゼンテーション、

ピックアップ、リフティング、そして釣り味と・・・満点です。



ミッジのコピーはたくさんありますが、例えばR.ランカスターのロッドにしても、

少し硬い気がします。

Kさんもミッジのコピーは意外と固いロッドが多いという同じ指摘をしていました。

サマーズのロッドはとても軽く感じられ、やわらかいというか、丸みを帯びているというか、

とにかく優しさと易しさにあふれています。

といって、10番や12番で空気抵抗を大きく受けるフライも思った場所へ

シャープに投げ込んでくれます。

大きいフライに関しては、逆にその重さを利用して飛ばしているのではないかと思わせるぐらいです。

釣り味もよく、魚の動きを上手く抑えつつ、小気味よくそれを手元に伝えてくれます。

柔よく剛を制すロッド、それがサマーズのミッジでした。



シャークスキンは、PVラインとしてはシルクと同等ないし超える初めてのラインではないかと

思わせます。

撚れず、まっすぐ、素直で、頑固。

キャストするとキューキュー音がするのでガイドに溝ができるかも・・・ということはないか。

もっと使用してみないことにはわかりませんが、なかなか優秀なラインです。



このマルティプライヤーリール、通常のマーキスより巻上げがおおよそ1.5倍早い

(ハンドル1回転でスプールが1.5回転)わけですが、一体そのどこが良いのか。

フライをフックないしガイドに掛けて、ラインを巻いて、張った状態で釣り場を移動するわけですが、

この状態にするのに、いつもより時間をちょっと得したような気がする・・・この効用ひとつだけです。

しかし気分的にそれがとても嬉しいのです。実際はラージアーバーもマルティプライヤーのような

もので、一回の回転で長く巻き上げられるはずですが、時間を節約した気にはなりません。



さて今回はフライに関して少し言及を。なんとWestern Trout Flyのオンパレードでいきました。

ジャンボカディス、そして写真にもありますハンピー(ウィングがカーフテールのV字です)を使用。

ハンピーもたくさん釣れました。

このフライ、見ていると子ウサギのシュノーケリングのようで、白い耳が立った状態で川を

流れていきます。

ローガンには見やすかったです。

実はこのハンピー、写真撮影後大ものにひったくられて、最後は切られてしまいました。

お魚さんごめんなさい。

あと、小さかったけれど、今回初めて湯川で本マスを釣りました。

浅い場所を縦横無尽の弾丸のように走り回り、ファイトが凄かった。



翌日の湯の湖は天候に恵まれ、楽なボート釣り。Kさんも私もそれぞれ50アップの

レインボーが上がり、大満足の一日でした。

Dr.Todd Larson

$
0
0




タッド・ラーソン博士(Dr. Todd. E.A. Larson)はオハイオ州シンシナティーにあるザビエル大学
(XAVIER UNIVERSITY)で歴史の教鞭を取る大学の先生です。
と同時にホワイトフィッシュ・プレス(The Whitefish Press)という出版社の経営者でもあります。
ちなみにミドルネームのAはAraiの頭文字で、お母様は日本人の翻訳家です。

さて、第二次世界大戦後のアメリカは、映画、ボーリング、キャンピング、フィッシングなど
レジャーブームがすさまじい勢いで全土に広がっていきました。
フィッシングに関しては、バスフィッシングを中心とするルアーフィッシング、そしてトラウト
フィッシングを中心とするフライフィッシングが大きく花開いていきます。

フライではレナードやポール・ヤングなど、紳士服で言うところの銀座英国屋のような高級店は
別として、ヘドン、フィリプソン、ライト&マクギル、サウスベンド、H&I、アブガルシアなどの
ブランドが広く普及していましたが、ルアーの世界ではフライでのブランドに加えて
数多くの中小のブランドが咲き乱れました。

何を言いたいの? タッド博士は全てを熟知しています。
つまり彼ほどアメリカの釣りの歴史全般に目を配っている人はいないのではないか、ということです。
ルアーの専門家は数多くいるにしても、フライについても同じ深度で明るい人は少ないと思います。
また釣りの周辺情報にも異常なほど詳しいのです。
歴史学者ですが、当然人文地理にも明るいわけです。
彼のFishing for History :The History of Fishing and Fishing Tackleというサイトは現在のところ毎日更新されており、その内容はこれでもかというほどにディープです。
ルアー、フライ、リール、古い釣り雑誌、オールド・タックルメーカーの宣伝広告などなど。
今日は何が出てくるのかと思っていると、合鴨の子供がノーザンパイクに襲われる映像をアップしたり、あるいはここでも紹介したBell’sウィスキーの宣伝を見つけてきたり、
American Fishing Encyclopediaそのものです。
しかし底流に脈々と流れるものは、アメリカの伝統を次世代に引き継いでいこうという彼の熱い
想いです。

是非訪れて見てください。
http://fishinghistory.blogspot.com/

さて、出版社のホワイトフィッシュ・プレスは釣りの歴史や釣り道具にまつわる様々な話題をカバー
するために2006年に設立された出版社です。
釣りとか釣具といっても、釣針の話もあれば、魚を捕らえる捕獲瓶(Glass Minnow Traps)の本も
出しており、伝統を後世に伝えていこうとするタッド氏の信念が伝わってきます。

ごく限られた数しか販売が期待できない特殊なテーマを本にするというビジネスリスクを
どうようにマネジメントしているのか、個人的には興味が湧きます。
恐らくそれぞれのテーマに関わるマーケット規模を適正に把握していることと、
コスト・コントロールを効かせているとしか思い浮かびません。
いずれにせよ、この手の出版は編集者の強い意志とあくなき熱意がないと続かないものだと思います。

http://www.whitefishpress.com/

あと、バンブーロッドに関する全米最大のClassic Fly Rod ForumもWhitefishpressの運営と
なっています。

http://clarksclassicflyrodforum.yuku.com/

1枚目の写真はご本人とお嬢様とでタックルショーを訪れ、ジッターバグを見ているところ。
次はジッターバグでお嬢さんがバスを釣り上げたところ。
3枚目はジェフ・ハットンのグラスロッドに魂を入れたところ。
4枚目はそのロッドでバスを釣り上げた写真。
(記事・写真掲載はご本人の了解を頂いてます。)

Feather Extension

$
0
0
 
Feather Extension
 
面白い話題をひとつ。
 
本日仕事で、米国事情に明るい方とお話をしていたら、
 
⇒ 『フライフィッシングがお好きなのですか? 毛鉤ご自分で作られるのですか?』
 
・・・「ええ・・まあ・・しかし最近は目が悪いので、買ったりする事もあるのですが」
 
⇒ 『ご存知でしたか。今NYではフライフィッシングで使用する鳥の羽を髪に飾ることが流行っていて、
 
間もなく日本にも上陸してくるかもしれませんよ。フライに使う鳥の羽を何枚も髪につけるそうで、
 
中にはかなり高額な羽もあるらしいですよ。そのおかげで、フライ用の供給が逼迫しているという話です。』
 
・・・「本当ですか。そんなものが流行っているのですか。初めて伺いました。今晩戻ったら調べて見ます。」
 
ありました、ありました。かなりの人気振り。
 
ヘンサドルハックルではないか・・・なんとグリズリーと呼ばれています。
 
それ以外にも多種多様。
 
時間あれば皆様 feather extension と是非ググってみてください。
 
ティンゼル張りのきらきら光るものまで、本当にタイイングマテリアル全開!
 
しかしグリズリー10枚入りでなんとUS$30~40。
 
私の在庫を譲ります!!
 
これではホワイティング社もフライマテリアルとして供給するどころではないかもしれません・・・
 
と思うようなプライシングです。
 
また取り付けるための小道具もそろっていて、内側がシリコン処理されたビーズは錘のガン玉のようで、
 
プライヤーで潰したり開いたりしています。
 
もしかすると、日頃疎んじられている私達お父さん族が、フライマテリアルを娘さんに自慢できる機会がやってく
 
るかもしれません。
 
それにしても、フライと化したすてきな女性達にはどんなトラウトがヒットするのでしょうか。
 
この際ナチュラルドリフトなんて関係ないかもしれません。
 
(動画が終了したら、次にでてくる女性二人の動画も見て見てください。フライに通じるものがあります。)

実物で辿るフライラインの歴史 その6

$
0
0









途中で脱線・中断してしまったのでは・・・ということはなくて、なかなか整理する時間が取れずに
延び延びになってしまいました。

馬尾毛からシルクラインへ。19世紀後半にはその流れが定着します。
シルクラインも単純なレベルラインからダブルテーパー、ウェイトフォワードへと発展します。
しかし、それが何年ごろに誰によってなされたのかははっきりしません。
ただひとつはっきり言えることは1800年代には既にかなりの数の会社がフライラインを製造販売
していたということです。

20世紀に入ると従前のウェットに加えて、新たにドライフライが出現し、ラインをなるべく水面に
浮かせておくために、シルクラインに浸み込ませるオイルなりワックスにも、鹿や熊の脂肪を
使用したり、パラフィンや鉱油、あるいは亜麻仁油を使用したりと種々の工夫が加えられます。
水分を吸収したシルクの上にいくらドレッシングしても無駄です。ラインが乾くのを待つのか、
リールから巻き出して反対側を使用するのか、あるいは交換するしかありませんでした。
したがってシルクラインにいかにして水を吸収させないのか、それがラインメーカーの大きな
課題となりました。
それを解決したのがエナメル・コーティングです。

これも年代がはっきりしないのですが、少なくとも第二次世界大戦前までにはエナメル・
コーティングされたシルクラインが相当出回っていました。
エナメルとはいえ、七宝に見られるガラスのコーティングによるエナメルではなく
(そんなことしたらラインが即沈んでしまいます)、石油から作られた化学製品を使用した
コーティングで、代表的なものにポリ塩化ビニルがあります。
エナメル・コーティングした銅線と言えば想像が付きやすいのではないでしょうか。
このポリ塩化ビニル、1930年代にはドイツを皮切りにアメリカでも製造が本格化しました。

一方、シルクに取って替わるナイロン(ポリアミド)は1935年にデュポンが開発、かの有名な
ナイロン・ストッキングが発売された1940年より1年前の1939年にフライラインとして
商品化されました。
軽くて丈夫で大量生産が可能なナイロンはフライライン(何もフライフィッシングに限った
ことではなく、釣りに関わるライン全般)の中心(物理的にも核となります)となります。
しかし、このナイロンとて吸水性があり、使っているうちに重くなっていきます。
したがって、このナイロンにもエナメル・コーティングをする必要性があったわけです。
オールドリールに巻きつけられたラインの表面がねばねばするのはまさにこの
エナメル・コーティングのせいです。

最初の3枚の写真はShakespeare社のキャデラック・シルクライン(50~60年前)で箱に入っている
ラインはエナメル・コーティングが溶けて再び固まってしまったもので、25ftが3連になっている
ものをひとつ切り出してフルガーに巻いてみました。
剥がすのが大変でしたが、このラインを使用して当時のロッドでキャスティングを試みました。
(この話は次回に)

そして次の何枚かの写真は同じShakespeareでも、エナメルではなくて、独自のオイル処理をした
もので、1952年に始めて発売されました。
50年以上経過した今でもすぐに使える状態です。
ケースの中には、いままでのようにエナメル・コーティングの劣化から来るベタベタさが無くなった
ラインであるという説明書や、当時発売されたワンダーロッド(グラスロッド)の紹介であるとか、
オートマティックリールの広告があります。
そう当時はオートマティックリールにシルクラインを巻いていたわけですね!

Ahsawayは1824年に作られた米国最古のフライラインの製造会社のひとつですが、1939年に
デュポン社のナイロンを初めて使用してフライラインを製造した会社としても有名です。
写真はまさにそのナイロンラインで、未使用。
このラインもいますぐにでも使用可能です。

最後の写真はCortlandのアイヴァンホーシルクライン。
これも未使用で、今でもすぐに使える状態です。

(参考文献はAmerica’s Fly Lines by Victor R. Johnson, Jr. 2003 EP Press)


以下フライラインを製造していた米国の会社 (設立年代順)

***************************
(1800年代)
B.F.Gladding & Company(1816)(*)
Ashaway(1824)
Hall Line Corporation(1840)
U.S.Line (1800年代半ば)
Rain-Beau(1866)
Gudebrod, Inc. (1870)
Pflueger(1886)(*)
Horton Manufacturing(1888)(*)

***************************
(1900~大恐慌以前まで)
Weber(1900頃)
South Bend(1905)(*)
Shakespeare(1905)(*)
Newton (1909)(*) 
Horrocks Ibbotson(1909頃)(*)
Cortland(1915)(*)
Bevin Wilcox(1919)
Abu (1921)(*)
Garcia (1920頃)(*)

*****************************
(大恐慌から第二次世界大戦前)
Western Fishing Line Company(1930)
Norwich Line Company(1930)
Sunset(1932)
Berkley (1937)(*)
Marathon (1937頃)(*)

******************************
(第二次世界大戦後)
Scientific Anglers(1945)(*)
Fenwick (1954)(*)

(*)はフライライン以外の商品も提供している会社

以上

実物で辿るフライラインの歴史 その7

$
0
0





60年近く前のエナメル・コーティングされたラインを、当時のバンブーロッドで試してみる。

選んだロッドはHeddon社のOMEでFolsomの7ftハーフ、#4-5向け。

Folsom Arms Co.はニューヨークの銃製造メーカーで、銃と言えば有名なWinchester社が

Eutis Edwardsのロッドを販売していたのと同様に、Folsomは廉価版ではMontagueやSouth Bend社

のロッド、高級ラインはHeddon社のロッドを販売していました。

この写真のロッドは2pなのでHeddonのオリジナルではフェザーウェイトに近いものと思われますが、

文献では見当たりません。

1930年代のないし1940年代のものと見られます。

ファストテーパーではないのですが、弓のようにしなりながらも、当時としては珍しい

パリパリのロッドです。



ところで、1930年代は西海岸を中心として、遠投を競う競技用キャスティングが盛んな時代の

始まりでした。

ザ・ゴールデンゲイト・アングリング・アンド・キャスティング・クラブが創設されたのも1933年です。

ドライフライの興隆によってフライラインが発展したばかりでなく、遠投競技もフライラインを進化

させたことは間違いありません。



さて、シェークスピアのエナメル・シルクラインはどうなったのか?

セージやルーミスやボロンで見られるいわゆるカチカチ系のラインスピードのように洗練された

爽快感ではないですが、一振り目でほぼトップスピードです。

このロッドから放たれるシルクラインは、バッティングマシーンの、あのアームのような、

まさにロッドの背面にバネが据え付けられているとしか言いようのない頑強なマシーンから

放たれる球と同じです。

ストレート150キロ。

実際はそんなに早くないとしても、自分がダルビッシュになったような錯覚にとらわれます。

そうなんです、タイトループは、何もハイテクノロジーだけに許されたものではないことを

実感します。

バンブーとエナメル・シルクラインでSageとサイエンティフィック・アングラーズ以上の

パフォーマンスを期待できるのです。

大昔から強風下でも大きなフライを遠く離れた対岸に充分飛ばすことができていたのです。

騙されてはいけません。

そう、実は逆なのです。

まさにこのシルクラインでの経験が、アメリカのその後のロッドの発展を可能ならしめたのです。

この感触があったからこそ、フェンウィックも、シェークスピアも、セイント・クロイも、

ダイヤモンド・バックもセージもウィンストンもルーミスも素晴らしいグラスロッドや

カーボンロッドの製造ができたのだと思います。

アンクル・サム

$
0
0












フライの雑誌の堀内編集長から、機会あれば是非行って見てください、と言われていたのが

フライショップのアンクル・サムです。

東京から車で2時間半、群馬県安中市松井田町松井田379、松井田町のメインストリートに

アンクル・サムはありました。

少し低く構えた玄関が、実はアリスの魔法の国への入り口だったなんて、誰が想像できたでしょう。

お店に一歩足を踏み入れると、とても懐かしい気持ちになります。

もとは畳屋さんだったいうお店、中が広く、壁一面にタイイング・マテリアルがところ狭ましと

並んでいます。

しかしこの懐かしさ、どこから来るのかな。

オーナーの小板橋伸俊(アンクル・サム)さんは地元出身で1985年にフライショップを開きました。

以来25年、フライ一筋。

お店の特徴がいくつかあります。

ひとつは鳥の羽の種類の多さでしょう。

もし何か探しものがあれば、きっと見つかるはずです。

バンブーロッド、これもアンクル・サムの用意してくれた宝物です。

お店の奥に、縦長にショーウィンドが配置され、そこに魔法の杖が70本近く吊り下がっています。

比較的に入手しやすい価格帯のものばかりです。

したがって2本同時に購入されるお客さんもあるとか。

しかし注意しなければならないのは、全てが売り物ではないことです。

『うらないさん』とご主人は呼んでいましたが、魅惑的な非売品が展示されています。

手作りのリールも、ランディングネットも、バイスも、フライも、また剥製も

このワンダーランドのチャーミングな住人です。

そしてその全てがご主人含めた松井田町に住む方々の作品です。

恐るべき松井田町。

ここはフライの聖地かもしれません。

小板橋さんの気さくながらも熱意溢れるお話に、満面の笑顔が加わって、

足を踏み入れた私達は時が経つのを忘れてしまいました。

映画のネタばれ寸評は良くありません。

あらすじはこの程度にしておきます。

ご主人有難うございました。

機会あれば一度訪ねてみる価値のあるお店です。


なお、アンクル・サムさんは通信販売をしていないとのことで、直接お店にいかないと買えません。

また、小板橋さんは外出したりする事があるので、特に遠くからこられる場合は事前に

電話(027-393-2196)をいただけるとありがたいとおっしゃってました。

実物で辿るフライラインの歴史 その8

$
0
0









シルクからナイロンやポリエステル(ダクロン)へ、デュポン社の発明のおかげで

フライラインのコア部分は軽くて強度の高い新素材へと大きく進化を遂げました。

と同時にナイロンでも解決できなかった吸水性の問題を解決するために、

あるいはラインの飛距離を伸ばすために、エナメルコーティングが発達しました。

しかし、直射日光が当る場所などに長く放置しておくと、エナメルが溶けてベタつくこともあり、

改善の余地が必要でした。



電線のようにポリ塩化ビニル(PVC)や等でコアのラインを包む形式がはっきりしてきたのは

戦後から50年代に掛けてです。

ここの功労者は製造方法を確立したScientific AnglersとGradding社です。

そしてこのPVCラインに加えて、その後ポリウレタンを纏うラインも多く出てきます。



さて、このPVCラインの製作方法ですが、PVCとの固着を高めるためにコアとなる

ナイロンやダクロンにプライマーと呼ばれる下塗りをします。

その後液体となっているPVCを潜らすわけですが、このPVCに何を混ぜるのかが秘伝のレシピになります。

着色料はもちろんの事、潤滑剤、紫外線からの劣化を防ぐ薬品などいろいろ混ぜられます。

一方、ポリウレタンを絡める作業は、PVCのように液体をくぐらすのではなく、

ポリウレタンの入ったチューブからコアラインごと押し出すような形で纏わせます。

両方とも比重が水より重いのでほっておくと沈みますが、中に気泡をいれるなど、

何らかの手立てがなされています。



ではPVCとポリウレタンと何がどう異なるのか。

PVCはポリウレタンより劣化が早く、表面にひびが入りやすい。

ポリウレタンはPVCより製造時間が短く、コストが安い。

しかし、巻き癖(コイルメモリー)はポリウレタンのほうがPVCよりきつい。

などなど・・



現在のPVCラインもポリウレタンもコアとなっているナイロンラインを直接見る事はできませんが、

写真にあるとおり初期のPVCラインは、中のナイロンラインの編みこみが見事に見えます。

最初は透明なチューブで包むという感じで作られていたようです。その後グリーンをはじめ、

ピンク、ブルー、オレンジ、イエローなど視認性の高いカラーが増えてきました。

これらのラインを見た時に、

シルク⇒ナイロン⇒エナメルコーティング⇒「????」⇒現代のPVCライン

と繋がる系譜のミッシングリンク「????」の姿を発見できた気持ちになりました。

Newton、Gladdingともにいまでもすぐに使そうです。



追伸です・・・・
ドレッシング(ミーシュリン赤)を十分にした普通のシルクラインと、エナメルシルクラインを持って、止水で釣りをしてみました。
川だと気が付かなかったのですが、最初は浮いているラインの左右にドレッシングが滲み出し、
環境汚染をしているような雰囲気に。
すぐに流れ出してしまったので、あとは先端から緩やかに沈むような感じでした。
釣果はフライに依存するので、ラインはある程度飛べばいいと思っていましたが、
元気のいい魚は、カッタクリ釣りのように魚信がダイレクトに伝わって面白かったです。
そもそもフライフィッシングはラインを直接手繰って魚を引き寄せる釣りではありますが
(リールを必要とする大型魚は除きます)、古いラインは素材が素朴なだけに、
魚の感触が無骨に伝わってきて楽しいです。

試し振り

$
0
0






堀内編集長に誘われて山梨県は忍野村にある

忍野フィッシングセンターにいって来ました。

目的は、もちろん釣りではなく、持ち寄ったロッドの試し振り。

集まった方々は既に前日からいろいろ意見交換をされていたようで、私は最後の5人目。

編集長のお呼びになられた方々なので、FF界の重鎮・・・

という言葉はあまりふさわしくありませんね。

日本を代表するFFのスカラー(Scholar)・・博識者、あるいは学識者の方々です。

お名前は、写真からご察しください。

とにかく皆さん、キャスティングが凄い。

何が凄いって、上手というような言葉で表現するレベルではなく、

ロッド一本一本の個性を瞬時に見抜くという、今までの経験や実務に裏打ちされた

圧倒的な力量です。

だからその個性に合わせてキャスティングを変えてきます。

まるで患者の症状を見て処方するドクター達のようです。

「ここがいいね。」「感じが好きだな。」「これは気になるね。」

「言うほどにたいした事ないな。」「こうすると面白いね。」

いやはや20人近い患者があっという間に処方されてしまいました。

5人の中でドクターよりはロッドとともに患者側にいたのは私だけでした。

教えていただき、1日でキャスティングが10年分上手くなった気がしました、

ところで、お一方が自身の手によるバンブーを3-4本持ってこられていて、

これがまた驚愕する心地よさとリザーブパワー。

シルキーとはまさにこのこと。

真竹の実力を改めて思い知らされました。



皆様と一日過ごして、本当に本当に勉強になりました。

ありがとうございました。

Thank you

Hardy Hardy !

$
0
0












関東地方もようやく寒くなってきましたね。

たわいもないお話をひとつ。

どうしても同じものを2本欲しいと思っているロッドがありました。

バンブーではありません。

バンブーはそもそも同じ作り手で同じモデルであっても、

例えば素材のちょっとした違いや、削りや、塗装で性格が異なってきます。

バンブーの同じ節のストリップを使って2本とティップを作る場合に、

ミラー・サイト・ティップと言う言葉があるくらいですから、

バンブーで同じロッドを作るのは大変な事だと思います。

さて、普通はできるだけいろいろなロッドということで入手するのですが、

欲しかった同じロッド・・・私の場合はHardyのFibaliteです。

以前にも書いたことがありますが、最初は35年以上も前に入手しもので、

同じロッドを、しかもミントコンディションのものを長い間探していました。

この7フィートハーフ、5番ラインのロッドは、柔らかくもなく、硬くもなく、

いわゆるキャスト・ウィズ・オーソリティー(CWA+++)、つまり威厳を持った

ループを奏でる貴族のようなロッドです。

ロッドの化粧回しも素敵でしょ!

また濃紺ロッドバックがノーブルです。

当時のHardy以上に素敵なロッドバッグを出している先は今まで見たことがありません。

ここから茶色のロッド肌が見えはじめ、そしてオールコルクのグリップにアルミのリング。

何かいけない事をしているような錯覚にとらわれて、いつもぞくぞくします。

そして2本のロッドが並ぶと至福の時が訪れます。

しかし・・・良く見ると2箇所ほど違う部分がありました。

ひとつはストリッピングガイドで、どちらが先なのか定かではありません。

もうひとつはフェルールの黒い部分の長さです。

フェールール自体の長さに違いはないので、キャスティングに違いは出ません。

ああ、このロッドを持って広めの川でロイヤルコーチマンを流し、4~50センチ近いレ

インボーを乗せてみたいものです。

これから数ヶ月間はストーブリーグ、好きな道具を引っ張り出しては悦に入る。

これもフライフィッシングが与えてくれた楽しみです。

感謝感謝。

グレートフィッシング然別湖特別解禁【フライフィッシング編】

$
0
0
 
 
忘れていた名前です。
 
新米アングラーさんのお話しでホームページを見を確認したら、あまりにも素晴らしいので映像をアップしてしまいました。北海道は本当に素晴らしい自然に囲まれていますね。
 
 
 

カタログ

$
0
0





家に戻ると見慣れた封筒が・・・・・

ちょっと厚みがあって、それが嬉しい。

ネットに掲示されている写真つきの商品と異なり、紙の上のロッドやリールは写真もないのに

何故かそそります。

それはグラビアよりも小説(印字された文字)に興奮する古代人の証なのでしょうか。

イナガキさんのカタログは近年アンティーク、ないしセカンダリーがかなり充実しています。

昔、新品で売ったものが、今、委託販売という形で舞い戻ってきているとのことです。

以前、ゼフィルスと言うグラスロッド(3種類)を限定生産していたことがありますが、

また何か新しいグラスロッドを出そうとしているではありませんか。

しかもスパインがどうのこうのと、博士が最も気にするロッドの背骨も入念にセレクトする

としてあります。

でも、グラスロッの話は忘れることにしましょう。


別件で、本当に何年かぶりに電話して、イナガキの風の博士とお話をしました。

さすがです。超詳しい・・・。

歴史的な背景なりきちっとした説明があって買えるのは、とても満足がいきます。



さて、米国はカルフォルニアのアダムスアングリングも独特のカタログで有名です。

今回ちょっと気になったのは、グラスロッドのビルダーで、James Greenという方。

かの Jim Greenではありません。

ウィンストンのブランクから2本継ぎ、3本継ぎ、4本継ぎとロッドを作っているかと思うと、

自分のブランクで、ややファスト気味のグラスロッドを作っています。

20年のキャリアがあるようです。

栗色の髪の毛に緑色の目、すらっとしたいでたち・・・

違いました、黒色のブランクに緑色のアゲートストリッピング・・・・

写真が無いほど想像を掻き立てます。

寒い冬の夜は、カタログで頭の中の在庫を目一杯増やしましょう。

Marquis Multiplier その1

$
0
0





Marquis か Lightweight か

リムがフレームの外に出ているのか、フレームの中にあるのか、好みが大きく分かれるところです。

私はマーキス派、これはもう摺り込みでしかありません。

最初に手にしたのがマーキスだった・・・それだけの理由です。

でもMarquisとは男性の爵位(階級)を意味しますから、フェザーウェイト、ライトウェイト、

フライウェイトのようにボクシングの階級とはわけがちがいます。

なんてフライウェイト派には申し訳ありません。



本題はマルティプライヤーです。

フライウェイトやハスキーなどにもありますが、何と行ってもカッコいいのは

マーキスのマルティプライヤーです。

これがバンブーロッドによく似合います。

いかにも過去に目にした近未来もの映画のような、歯車機械・・・と言う感じがたまりません。



風の博士によれば、もともとはオービス社のCFOのマルティプライヤーとして

70年代に作られたそうです。

しかし、これが予想も付かないほど売れなかった。

大量に作ってしまった部品を使用するため、自社ブランドで引き取った。

それがマーキス・マルティプライヤーの始まりだそうです。

確かに数十年前にハーディー社のカタログに載っていたマルティプライヤーは、

当時とても格好悪く見えました。

当時は主張が強すぎたのだと思います。

しかし今はとても洗練されたリールに見えます。

それは逆に主張があるからで、一目見てマーキス・マルチとわかるからです。

最近のリールはラージ・アーバーということで、とても軽く、極めて実用的ですが、

車輪か、傘の骨のような格好のものが多く、一見どこのリールなのか区別が付きません。



続く

Marquis Multiplier その2

$
0
0








マルティプライヤーの効用ですが、ハンドル一回転に対して、

リムが1.5回転するものだと思っていたら、風の博士から1.7回転と教えてもらいました。

写真に写っているのは一番小さいものがマーキス#4、次に#6、最大のものが#7です。

もちろん#5や#8もあります。

(風の博士は自分のダブルハンドに#8のマルティプライヤーを付けているそうです)



中を見ると、#6のドラグがいわゆる硬質ゴム(プラスティック)バンドで、

#4と#7はダブルラッチです。

したがって#6は年代的には一番古いマルティプライヤーになります。

これは英国で入手したものですが、使用されていないうえに、ハーディーのシルクラインが

巻かれていました。



#4と#7は全く同じなので、同時期に作られたものだと思いますが、日本に入ってきた時期は

異なります。

#7には・・ちょっと見ずらいかもしれませんが何とコータックの小さいシールが貼られています。

コータックが代理店当時日本に入ってきたものかもしれません。

#4はフットにJ番号が打たれており、この3機の中では最も最近日本に入ってきたリールです。

風の博士によれば、ハーディーは出荷する時点でのリールケースに入れるので(当たり前ですが)

ケースだけで製造された年代を推定すると間違えるよ、と言われました。

#4はハーディー社にあった在庫を90年代に仕入れなおしたもののようです。



また写真で見ての通り#6、#7ではケースの色は同じでも材質が少し違います。

古い#6の入っているケースのほうが艶やかで丈夫そうです。

なお、#4と#6のハンドル部分は全く同じ規格のもので、交換して回してみても、

全く違和感がありません。

ということは#5も同じと考えられます。

しかし回転する時の振動がこの上なく心地よい。

またラッチの音もマーキスは最高です!



近年は単純な歯車機械、あるいは子供のおもちゃのようなリールに惹かれ、

ラージーアーバーにはますます背を向けてしまいます。

オートマティックリール、マルティプライヤーリール、・・やはりアナログ系ですね。

それには理由があるのですが、それはまた別の機会にお話させてください。

マルティプライヤーの旅はもう少し続きます。


**********************************

今年はいろいろございましたが、たくさんの戯言にお付き合い頂きありがとうございました。

しばらく立て込みそうなのですが、来年も折を見てアップしていきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

スコット 

$
0
0







明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。



2012年の初振りはスコットのカーボンロッドでした。

場所が高いところで、ちょっと風もあったので、今までに振ったことのないカーボンをと思い、

昔の、と言っても一度も使用されたことのないロッドですが、G883を繋いで見ました。

しかしこの艶かしさはいったいどこから来るのでしょうか。

爬虫類と言うか、団子虫の節と言うか、不思議で独特のオーラを放っています。

同じアンサンドでもOrvisとは違いますね。




スコット社(Scott PoweR-Ply Company)についてはご存知の方が非常に多いかと思います。

現在はコロラドに本社がありますが、もとはウェストコーストがサンフランシスコの会社で、

1974年に当時62歳であったハリー・ウィルソン(Harry Wilson)が設立しました。

Scottは彼の息子の名前、PoweR-Plyはハリーが作ろうとしていたリールの名称で、

もしかするとSeamasterのようなリールを主体とした会社になっていたかもしれません。

それはさておき、彼はCalifornia Institute of Technology(カルフォルニア工科大学)

で航空工学を学び、なんとUniversity of Chicago (シカゴ大学)でマーケティングを専攻して

MBAを取得します。

彼は技術者としては当時既に成功しており、技術もビジネスもわかるスーパーマンだったわけです。

そこに最初の働き手としてラリー・ケニー(Larry Kenny)が参加します。

ハリーは独特のフレックス・フェルール(スピゴットフェルール/いわゆる印籠繋ぎですね)

を開発し、このラリーとのコンビで素晴らしいグラスロッドを世に送り出し、

数年のうちにScott社を大きく成長させます。

同社はもともとハリーの倉庫でロッドを仕上げていたようなメーカーでしたから、

フライロッドのApple社と言えるかもしれません。

話を端折りますが、ハリーは脳卒中で1986年に倒れ、車椅子生活を余儀なくされます。

87年には、ハリーは所有する株式を第三者に譲渡(フォード自動車)します。

したがって87年以降はパートナーであったラリーが会社の切り盛りをしていきます。

しかしそのラリーも1993年に持ち株を手放し、1996年まで取締役として残ったものの、

経営の一線から外れる事になります。

Scott社を新たに率いているのは80年代から同社に勤めているジム・バーチー(Jim Bartschii.)です。

以上の話はVictor JohnsonのFiberglass Fly Rodに書かれており、いろいろな場所で

参照されています。 



さて、ラリー・ケニーによればスコット社のグラスロッドは5つの世代に分類されるそうです。

これはファイバーグラスフライロッドダーズフォーラムからの抜粋です。

1)1973年から1976年頃に掛けてのイエローグラスで、やや琥珀色ないしオレンジががっている。カルフォルニアタックル社がスコット向けに製作していたブランクで、eグラス、ポリエステルレジン、マンドレルの設計はハリー・ウィルソン。

2)同じ素材、同じマンドレル、同じパターン、若干緑ががったイエローグラスで、従前との違いは染料だけ。1976年から1977年まで。

3)ブラウンのグラスロッドでこれも染料が異なるだけ。会社側が意識的に変更をしたもので、カルフォルニアタックル社が同じマンドレル、同じパターンで製造。1978年から1981年まで。

4)茶色のsグラスで、スコット自身が新しいマンドレルで製造。1993年から発売されたが、ハリー・ウィルソン時代のようなインターナルスリーブではない。1993年以降。

5)ブラックのsグラスで、同じ新しいマンドレル。1996年以降。同様にインターナルスリーブではない。

最近また復刻版ということで古い時代のイエローグラスが発売されましたが、これはスピゴットのイエローで恐らくsグラス・・・ということでこれは第6世代目になるのかもしれません。

いずれにせよeグラスかsグラスの2つしかないわけですね。

70年代の1)~3)までのロッドは下記に見ることができます。

http://fiberglassflyrodders.com/forum/viewtopic.php?f=1&t=6887/San-Francisco-Scott-fiberglass

Scott社はHardyと同じく、詳しい方がたくさんおられるので、あまり突っ込みません。

ではなく、突っ込めません。

続く。

スコット その2  工場見学

$
0
0
 
スコットのCEOであるジム・バーチー氏がG2シリーズの製造ついて工場で解説をしています。
 

スコット その3 

$
0
0
 
すいません、ビデオばかり貼り付けていて。
 
米国のフライショップ、LELANDの宣伝ビデオです。
でも私、決してまわし者ではありません。
 
ただ、ラマノスカス氏とコラボしたスコットのバンブーロッドを紹介しているので、
掲載しました。
 
ロッドを使用している場所がすばらしい。
こういうところでラマノスカスのバンブーは使われているのだな。
 
自分もこういうところで釣りをしてみたい。
日頃あのロッドがどうだ、こうだと自分で言っていますが、釣りして初めてロッドの評価ができる
 
・・・と思い知らせてくれるビデオです。 
今年はいろいろ持って出かけなければと反省しています。
 
しかし、このLELANDは,ロッドやリールなど実際に釣りしたりしながら商品を紹介してくれます。
もしロッドやリールの購入を考えているのであれば、FLY TV のところでいろいろと探してみてください。
 
大変参考になるサイトだと思います。
それ以外のシステムもよく考えられています。
 
アメリカのプロショップも凄いな。 
 
 
 

Somewhere in Montana

$
0
0
 
寒い夜長はYoutubeです。
 
おー寒い、ではなくAwesome『すごい!すさまじい!』です。
 
モンタナのどこかでこんな釣りができるんですね。
 
釣り人がクジラ、クジラと叫んでいます。
 
あるいはBig Orange Pumpikin Brownと呼んでます。
 
魚が全くすれていません。
 
北海道もこうなのでしょうか?
 
あああ 春よ早く来い!
 
(ps 終了後に出てくる分割画面の他の釣りビデオも見てください! Awesome!)
 

2012年 ハンドクラフト展 その1

$
0
0








江戸の香りが残る浅草へ行ってまいりました。

銀座線浅草駅を降りて都立産業貿易センター台東館へと歩くと、

右手に映画『フラッシュゴードン』に出てくるようなアンティーク近未来タワーが

異彩を放っています。

思わず何度もシャーッターを切ってしまいました。

建物一階のエレベーターホールで、前に務めていた会社の先輩と待ち合わせて5階に上がります。

      ワ ク ワ ク

         ド キ ド キ

            ワ ク ワ ク 

               ド キ ド キ


降りて目の前に広がる風景・・・興奮しますね。

あっ・・ご主人の山城さんがニコニコされてます。

「こんにちは。写真撮らせて下さい。」

「どうぞどうぞ。」

すいません・・・ピントが少しずれました。

でもこの笑顔に迎えられ、落ち着いて中を回ることが出来ました。


続く


・・・皆様もし都合が付けば是非足を運んで見てください
Viewing all 265 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>