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Channel: シェフのフライロッドの世界
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6.9ft #3 3P2T  その1

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『200本近いバックオーダーを抱えているので、5年待ちますが大丈夫ですか?』

『待ちます。』

2007年2月にオーダーして本当に5年ピッタリでロッドが出来上がりました。
毎年40本、ハンドプレーニングで製作を続けるマイク・クラーク(Mike Clark)は
コロラド一派の今や押しに押されぬ大親分です。
彼はまた、グッドウィン・グレンジャー(Goodwin Granger)に代表されるコロラドの、
かつてのプロダクションメーカーの功績や伝統を後世に伝えていこうとする
バンブーロッドの歴史家でもあります。

マイクのバンブーロッドに傾けるひたむきな情熱は誰にも劣りません。
今回のロッドを手にしたとき、こちらの希望を思い描いたとおりに表現してきたくれたので、
びっくりしてしまいました。

通常ビルダーさんにはロッドのラインナップがあって、購入者はそのなかから好みと思われる
アクションを選択することになるわけですが、マイクの場合はそこが異なります。

釣り人は本当にわがままなので、そもそもビルダーさん側で用意された既成のアクションには
99%満足しても100%は満足しない、という前提が存在します。
これはベテランになればなるほど自分の釣りスタイルが決まってきて、
もう少しバットを強くして欲しいと、テイップを繊細にして欲しいとか、軽くして欲しい、
グリップを細くして欲しい、ホローがいい、3pが持ち運びに便利、などと
いろいろと希望が出てくるわけです。

当然といえば当然で、同じパートナーとはいうものの、交換が容易でない奥方とは異なるため
(もとい・・・)、ロッドだとついつい愚痴が出てしまうわけです。

マイクは、自分の釣り方を既に確立している人に対し、
その人の要求に見合う的確なロッドを作ってきます。
それが神の手と呼ばれる所以なのです。

5年前にオーダーをお願いした時は、7.5ftの4番向けロッドでした。
しかし、注文主の気持ちも変わるかもしれないので、順番が来たらロッドの希望を
詳細にわたって聞きますね、とアシスタントのキャシーさんは言ってくれてました。


そして今年の頭に、ようやく順番が来ました。
『いかがしましょうか?』キャシーさんからメールが突然入ってきました。


続く

(写真はsneak previewということでマイクから送られてきた3枚の写真)

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