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Channel: シェフのフライロッドの世界
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2012年 ハンドクラフト展 その2

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毎年なぜか最初に野中角宏さんと目が合います。

角宏さん、今年57歳だそうです。

信じられますか?

どうしてそんなに若くてチャーミングでいられるのか、

ロッドよりもそちらを教わりたいくらいです。

最新の4ピースロッドを早速振らせていただきました。

いいですね、近距離から中長距離まで正確且つリスポンスが早い。

恐らく距離が出てくるともっともっと気持ちが良くなるロッドです。

Cast with Authorityとはこのことでしょう。

実はバットからティップにかけて、インナーは徐々にソリッドから中空になるテーパーと

なっており、角宏さんの言葉を借りれば「本当のプログレッシブテーパーを作れた」とのこと。

また火入れもヒートガンで行っていて、竹の芯から熱くならないと色がこのように綺麗に付かない。

「何らかの化学変化が明らかに起きていて、パワー・ファーイバーを濃縮、というか密度を

高めてくれている」とのこと。

とっても威厳と雰囲気のあるロッドでした。

「昔の2pロッドは作ってもらえないのですか?」

「昔を振り返る時間は残されていないんだよ」

かっこいい・・・・・

角宏さん、ありがとうございました。



次ぎはT-madeの金子孝行さん。

若くてハンサムで、こういう方がFFの次世代を担っていくのは嬉しい限りです。

リールの写真が上手く撮れずに大変恐縮です。

アルミで出来た非常に軽いリールで、シングルクリックが主体ですが、

本当に贅肉を削り落とした機能美溢れるリールです。

金子さんは、恐らくバンブーロッドを意識してリールを作られていると思いますが、

実はグラファイトリールにマッチさせると、驚異的に軽いシステムが出来上がるのではないかと

思います。

あと、一部ブラスを使った重めのリールがありましたが、個人的にはこれが好きでした。

素晴らしいホームページを最近オープンしたようです。

一見の価値あり。

http://fams-t.jp/reel/index.html

金子さん有難うございました。


つづく

2012年 ハンドクラフト展 その3

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凄いぞアマチュアビルダー!

会場の真ん中にはアマチュアビルダーさんが作られたロッドが並ぶ机があります。

近寄って見ると、凄そうなロッドだらけ。

本当にアマチュアなのかと疑いたくなるロッドのオンパレード。

何が凄いのかと言うと、中空、スプライス、フェルールなどどれも独自性があって、

一目見ただけでその人のロッドと言える点です。


残念ながら繋いで振ってみることは出来ませんでしたが、

これならアメリカのイノベーティブなビルダーさんたちも負けません。

日本のバンブーロッド、ますます楽しみです。


つづく

2012年 ハンドクラフト展 その4

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ル・グランソワの原田克己さんは衝立の後ろで牛丼を食べておられました。

お腹をすかせていたせいか、とてもいい匂いがします。

昼抜きで見に来ているんだぞ・・と無理やり中断してもらい・・嘘です!

お願いして現在開発中のバンブーフェルールを見せてもらいました。

まだ試作とのことで、詳細は述べませんが、和竿の技術を使って突き詰めています。

そして、現在の原田竹竿ラインとなっているロッドを2本振らせてもらいました。

これがまたいいんですね。

片方のロッドはノードレスの中空で、力を抜いているのにフライが大きく目標に向けて

ターンします。

もう片方はややプログレッシブながら、ポイントを射抜く感じです。

原田さんのロッドを持っていつも思うのは、この独特なグリップとリールシートです。

やや大きそうに見えるのですが、手の中にすっぽりと納まり、投げ心地が良いです。

独自性は大事ですね。


原田さんありがとうございました。


次ぎは井沢拓史さんです。

ちょっとおしゃれな小物を展示販売されていましたが、バンブーロッドを

今後販売していくということで、現在いろいろと準備をされています。

キャッツキルに行って、ロン・キューシーやロバート・テーラーに直接会って

自分のテーパーをはじめいろいろアドバイスを求めています。

たいしたものです。

実は東部レナード系のビルダーさんはかなりご高齢ですが、これと言った後継者が見当たりません。

もしかして井沢さんのような人が受け継いでいくのかもしれません。

販売はこれからとおっしゃっていましたが、ロッドを手にとって、2本ほど振らせてもらいました。

製作本数は数十本とのことでしたが、E.C.パウエルのBテーパーの如く、

あるいはデバインのフェアリーの如く、キャスティング能力に優れたロッドに、

井沢さんの熱意と才能の片鱗を見ました。

今後が楽しみです。

井沢さんありがとうございました。


つづく

2012年 ハンドクラフト展 その5

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矢野 宏治さんは、日本では数少ないシルクラインのメーカーです。

もともと繊維関係のお仕事をされていたので、糸を紡ぐ事には知識があったとのことですが、

それでもシルクラインとして販売するに至るまで、4年の歳月を要したとのこと。

紡ぐ機械の癖で形が変わるようで、いかに真円に編みこむのかがポイントのようです。

コーティングはしっかりされていますが、細いPVCと感じるほどにしなやかです。

そう、世に出ている他のブランドだとテレンツィオさんのラインが近いかもしれません。

しかし、私が最も驚いたのは、矢野さんがプライムタイムの宮崎さんにお願いして4年ほ

ど使用したラインを手にとらせてもらった時のことです。

何としなやかで、セクシーなのでしょうか。

使い慣れた古女房・・もとい・・長く連れ添ったパートナーのごとく、

釣り人の意を汲んだ動きを絶対にするであろう、そんな従順だけど、

芯のある強い顔を見せてくれてました。

シルクといえば欧米のイメージは日本、矢野ラインが世界ブランドになっていくことを期待します。

矢野さんありがとうございました。


次ぎは手塚太一さんのブースを訪れました。

お客様とお話されていたので、会話することが出来ませんでしたが、

写真だけお許しを頂き撮らせていただきました。

ロッドをもう少し詳しく見てみたかったのですが、とにかくフィッシュアート(レプリカ)が凄い。

写真より本物を目にするほうが何倍も迫力があるのではないかと思います。

手塚さん、またよろしくお願いします。


つづく

2012年 ハンドクラフト展 その6

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岩手のビルダー大村善之さん、以前よりもワイルドな感じが素敵です。

日々川に入り自然に触れている印象が一目両全です。

大村さん4ピースながらスムースでアキュラシーに富むロッドを製作されています。

また風にも強い。

フェルールはカーボン。

ロッドに対るプレッシャーは、金属フェルールが曲がらない分その付け根周辺にきます。

素材がカーボンであれば、フェルール自体曲がるので、そのプレッシャーはありません。

またロッドは全てインプリ。

これにはかなりの装置が必要で、アマチュアではそこまで手が届きません。

現在、試作を経たスペイロッドを発売することになっており、

それを拝見させていただきました。

ロッドバランスに対する考え方は実際の釣行で蓄積された経験値をもとに、

とても洗練された工夫がなされており、非常に素晴らしい仕上がりを見せています。

大村さんありがとうございました。




ところで、大村さんと私の間には、私がマエストロと呼ぶ友人で、岩手FF界の巨匠がおられます。

彼の話で少し盛上がりました。

巨匠のブログを見ていると、大村さんと荒雄川に何度か釣行に出かけているようなのですが、

巨匠がフライの選択に結構苦労しています。

大村さんにうかがったら、前日に何が良いのかこそっとメールしているんだけどな・・・。

自分のセレクションにこだわる、それでこそ巨匠たるゆえんです。

マエストロ、暖かくなったらまた遊びに行きますからよろしくお願いします!



話は横道にそれてしまいましたが、気が付くとあっというまに2時間も経っているではないですか。

お腹もすいたし、そろそろ切り上げる事にしようと思って入り口に立つと、

杉坂研二さんが元気良くお話されていたので、何枚か写真に収めさせていたただ来ました。

杉坂さんありがとうございます。


つづく

2012年 ハンドクラフト展 番外編

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出張報告じゃあるまいし、返ってきたら訪問先とのやりとりを上司すぐに報告しなければならない

・・・わけではないのですが・・・・習性が身に滲みついていて


それと、食べログではありません。

でも、あまりにもお腹がすいて、牛丼ではなく、浅草寺傍の天ぷらやさんで

天丼です。

その後、傍のビニール張りの居酒屋さんで日本酒を飲んで体を温めて、

塩煮込み舌堤を打ち、競馬テレビを流す画面にちらりと目をやり、

ああ至福。


そして花屋敷のゴンドラに郷愁を感じつつ、一日を終えました。


クラフト展の皆様、お付き合い頂き頂きありがとうございました。

SFL580  その1

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ずっと探していました。

そして見つけました。

Sageのグラスファイバーロッド。



Sageのオリジナルではありませんが、Bob Summersの組み上げたとても美しいロッドです。

文献(Fiberglass Fly Rods by Victor Johnson) よればSFLシリーズ(S-glass Fly Rod)は、

Sageが出した最初で最後のグラスロッドです。

ブランクでもしっかり販売されていたようです。

サマーズは1981年にこのロッドを組み上げました。

なおSageの設立は1979年です。

創業者のDon GreenはLamiglass(ライマグラス)、Grizzly (グリズリー)、

Fenwick(フェンウィック)の創業者でもあります。



投げてみて、ほんと、笑みがこぼれちゃいます。

ニタニタです。

SageのRPLを初めて振ったときの衝撃、振ればラインが高速で飛んでいく、

あの感覚がグラスで蘇ってきます。

そう、フレキシブルさを伴った高級な高速感です。



もっと言ってもいいですか?

アンダーハンドっぽくキャストしても良く飛び、シュートするとラインに引っ張られて

リールがジッと鳴るのです。

またまたニタニタです。



Don Greenのロッドに対する設計思想が手に伝わってきます。

タイトループを生み出すバットパワーと、それに充分追従しながらもフレキシビリティーを

感じさせるエレガントなテイップ。

これはグラファイトよりいいぞ!



非常に感覚的な話しですが、フェンウィックのロッドを少しファストにしたような感じです。

逆にグラファイトから見ると同社SPシリーズに繋がるようなアクションかもしれません。

彼は、7.6を超える長さではグラファイトのほうがグラスより優れているとしましたが、

グラファイトが出たての頃は、それが固すぎて、しかも脆弱であるとして、

グラスロッドを平行して販売していたような感があります。

つまり設立当時はグラスとグラファイトの2本建てでした。



しかし、各種モジュラスを組み合わせたグラファイトで柔軟性が表現できるようになる

とSageの商品群からあっという間にグラスロッドは消えてしまいます。

そもそもSageは設立当初からグラファイトを目指した会社なのです。



グラスの販売は当初2-3年で打ち切り、製造本数は少なく、見つけるのが大変です。

全米のグラスロッドのフォーラム、The Fiberglass Flyroddersでも現物写真は見ることができません。

当然話題も少ないです。



しかし、これは本当に秀逸なロッドです。

グラスに多い3番や4番ではなく・・・といっても存在しませんが、

大きな河川や湖で使えるような5番、6番、あるいは バス向けの7番、8番が面白いと思います。

SFL580 その2

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Fiberglass Fly Rodsに掲載されているSageのカタログからそのまま転載してしまいますね。



SAGE GLASS FLY RODS (セージのグラスロッドについて)


The sage fly rods utilize the high-modulus S-glass fiberglass which transmits unexcelled
power for longer casts with less efforts, while approaching graphite sensitivity.

セージのロッドは高弾性Sグラスを使用しており、手元のパワーがとても効率的に伝えられるところからロングキャストがとても容易です。そう、グラファイトの感性に近づいています。



The relationship between tip deflection and butt powers defines a rod ‘s action. In a fly rod, that relationship determines how a rod continually carries the line, forming a loop that allows the line to continue out and present the fly. Rods that are too soft can’t lift the line well and are difficult to control, while overly stiff rods force the fishermen to work off the tip only.

ロッドアクションはテイップの反りとバットのパワーで決まります。フライロッドにおいてはこの関係が、ラインの連続的な動きや、ラインをまっすぐに伸ばしてフライを着水させるというループの形状を司ります。柔らかすぎるロッドはラインを充分にリフトすることができず、またコントロールもままなりません。また固すぎるロッドはテイップに依存したキャストを釣り人に強制します。



Sage rods are designed to drive a narrower, more controlled loop for greater distance and accuracy combined with a minimal-tailing loop. The Sage action animates rods that are designed to help the beginning caster, enhance the average fishermen’s efforts, and excite the experts.

セージの(グラス)ロッドは、ループのテーリングを最小限に抑えつつ、遠くへ正確に投げられるように、タイトでコントロールされたループを作り出す設計がなされています。セージのロッドは、初心者には易しく扱えるように、中級者にはキャスティングが一層向上するように、そしてベテランには楽しんでもらえるようにアクションが吹き込まれています。


Two piece Sage glass fly rods feature the taper-lock glass-to-glass ferrule, downlocking walnut reelsheet, ceramic stripper, hard chrome snakes, hook-keeper and tip-top, and epoxy finished color coordinated thread wraps. Comes with a cloth rod bag and carrying tube.

セージのグラスロッドは2ピースで、テーパーをロックするグラスのスリップオーバーフェルール、 ダウンロッキングでウォルナットのリールシート、セラミックのストリッパーガイド、ハードクローム のスネークガイド、フックキーパーならびにトップガイド、そしてロッドに合わせた色調でエポキシ 仕上げのされたラッピング、となっています。またロッドバッグと持ち運び様のチューブは標準装備  されています。



サマーズは、リールシートのウォルナットを除き、

Sageの仕様とほとんど同じパーツを使用して

組み上げていることがわかります。

モデルは最初にライン番手、次にロッドの長さで標記されており

SFL 476,  580 , 686, 789, 990の5種類が出ていました。

後に3ピースが一本加わります。

手にしたSFL580は屈指の中距離バッターです。

Bass on Fly

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ご覧になられている方も多いかもしれません。
 
Simmsがスポンサーのビデオです。
 
勉強になります。
 
#3、#4、#5、#6の世界ではありませんね。
 
ハイモジュラスカーボン、ボロン、理由が良く解ります。
 
しかし2時間だけでいいから、こんな釣りをしたいものです。

Vista Turbine Fly Reel

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アルゼンチンのSTH社が開発したタービンドラグ・システム。

以前から気になっていました。

特殊なオイルが入っている小さいスペースに、11枚の羽が付いたタービンが付けられてます。

リールからラインが引き出されると、そのタービンが回って、オイルの抵抗でドラグの働きをすると

いう代物です。



ほんまかいな?

しかしこういう、おもちゃのような、遊び心満載のリール、大好きです。

親指と人差し指で擦ると白い煙が出る、あの忍術まがいの駄菓子屋さん的なノリ、

・・・(開発者担当は真剣そのものですよね、スイマセン)

とは言うもののメインのリールとして使うことはなさそうだし、

しかしどうしても手にとって見たくて、

と思っていたら、じきにSTH社の商品をあまり見かけなり、記憶の中から消えてしまいました。

同社は確かカセットリールでも有名でしたよね。




たまたまCORTLANDのホームページを見ていたら何とタービンドラグを搭載した

VISTAリールが出ているではありませんか。

STH社のOMEですね。

もちろんSTH社は高級でもっとかっこいいタービンドラッグ搭載のリールを出しています。

しかしタービンの羽が見えないカバーものは駄目です。

結論めいたことを先に言ってしまいますが、それはタービンが壊れていると思うに違いないからです。

STH社では、テフロン使用のセンタードラッグをメインに、タービンドラッグ併用する

リールがトップラインにおかれていますが、それってどういうことなのでしょうか?


まあ、とにかく自分がお魚さんになって見ました。

リールからラインを引き出していくと、

アレッ??? 

抵抗があるといえばそうかもしれない、でも、どちらかといえば、魚に同意してくれているような

裁判したら絶対に魚が勝つのではないか・・・

で、裏を見るとケースの中は白い泡が立っています。

魚にしてみると、僅かでも、相当に抵抗を感じるのかな?

そんなことはないよな。


このリール、素晴らしいのは非常に軽い事です。

実際の魚を掛けて是非試してみたいものです。

E.C.Powell The greatest of all その1

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E.C.Powell 9フィートハーフ 先調子のAテーパー
彼の典型的なスチールヘッドロッドです。

日本なら本流の大虹鱒や、桜鱒、あるいは樺太鱒やシロ鮭にも使えます。


私が最も美しいと思うロッドの一本です。

息を呑むほどに輝く黄金色の竹肌と、一直線にのびたファイバーが艶やか。
そしてロッド全体を包むブロンズのラッピングには静かながらも洗練された趣があります。

一方、根元の黒と白のトリミングが狩猟道具としてのアクセントを醸し出しています。
グレンジャーのレジスターロッドと同じトリミングですね。

確かにペインやT&Tも美しいですが、E.C.Powellはバンブー好きにはたまらない何かがあります。
それはポールヤングのロッドを美しいと感じる感性に通じるものです。

やはり道具としての完成された美しさなのでしょうか。
使っているトンキンも同じに見えてきます。

さてこのロッド、テイップを保護するために新聞紙を折りたたんで作られたクッションが
ケースの蓋の裏側に詰め込まれていました。

丁寧に丁寧に開いて見ると、アレレレ・・1956年10月6日と記されているではありませんか。
いまから56年前、そう昭和31年、日本が国連に加盟した年です。

ということはこのロッドは1956年以前のものであること。
当たり前か。 (><)/

E.C.Powellがリタイアしたのが1955年といわれていますが、ロッドの状態からするとそれなりに使われてはいるものの比較的綺麗なので、彼の後期の作品だったのではないでしょうか。

娘婿のTony Maslanはこのとき既にE.C.のロッド作りを手伝っていたので、このロッドも一部彼が手伝っているかもしれません。

E.C.Powell The greatest of all! その2

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中をくり抜くホロービルトはE.C.Powellが始めた手法で、特許を取得。
(全部をくり抜いているわけではないので、セミ・ホローとも呼ばれています)

Patent number: 1932986
Filing date: May 12, 1931
Issue date: Oct 31, 1933

どのロッドにもこの特許番号が入っています。
後はリールシートのメタルワーク部分にPowellの名称が刻印されています。

ところで、このアップロッキングのシートを確立したのがE.C.といわれています。
また、写真にもありますが、フェルールが独特です。雌にも雄にも小さな印が付いています。

このフェルールは今もパウエルのバンブーロッド使用されています。
ちょっと安っぽく見えなくもありませんが、実はとてもとても優れたフェルールなのです。

押し込みを強くしても徐々に締まっていく感じです。
一方抜くときには、一日中使用していても固着することがありません。

そして特筆すべき点、ロッドの軽さです・・・とても信じられない。
指一本で机を上げるような、そんな感覚にとらわれてしまいます(ちょっと大げさ)。

ホローとはいうものの、9フィート以上もあるので、秤にのせればそれなりに重いはずです。
しかし、何でこんなに軽いのだろう。

それはロッドバランスが極めてよいからです。
バランスの良さは、ロッドが軽く感じるという点だけではなく、もう一つの重要な点、
すなわち、実際の長さより短く感じられるという点からも説明ができます。

実際の重さより軽く感じられる、実際の長さより短く感じられる・・・
というのは良いロッドの条件と言っても過言ではないでしょう。

キャスティングは、銀河鉄道999・・・天の川のようにラインはどこまでも伸びていきます。
ただただ脱帽です。



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パウエルの創設者であるE.C.Powellおよびパウエル家の系譜に付きましては、ちょっと長いのですがこの書庫にありますPress Powellに対するAndy Dearのインタビュー記事をご参照ください。少し長いですが、Powell家に関する全てを網羅した内容になっています。

Kada ロッド

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仕事の大先輩であり、釣りの師匠であり、素晴らしいビルダーでもある、Kさんの最新作です。
 
大企業の役員さんですから、よくもまあ週末でこれだけの仕事を成し遂げられるのか、ビックリです。
 
今回、なんと7本もいっぺんに仕上げたそうで、テーパーもギャリソン193、201、F.E.トーマス、ミッジ、
 
パーフェクショニスト、それに独自のテーパー含め見せていただきました。
 
そして、今回ミッジをいただきました。
 
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だいぶ仕上げが、それらしくなってきました。・・・・ってどんならしさ??
 
削りがすばらしい。真っすぐムラなく、繊維も綺麗にでています。
 
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グリップの形状もてにフィットしていいです。
 
リールも付けて見ました。
 
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既に24本製作されましたが、とても自分にはできないなー・・・と思います。
 
削ってテーパー作り上げて、そして仕上げるというのはやはり大変な作業です。
 
しかも古今東西の著名なテーパーを作ったうえで、自らのものを生み出すエネルギーは
 
たいしたものです。
 
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早速振りました。
 
一時間近くこのロッドを振り続けました。
 
信じられません。
 
ミッジを作られるビルダーさんは多いと思います。
 
でも、少し固かったり、ティップがやや軟かったり、グリップが手の中でしならなかったり、
 
サマーズ以外はどうしてもと思っていましたが、相当な切れ味です。
 
個人的にこのてのアクションが好きだという事もあるのかもしれませんが
 
だからこそ本物でないといやなのです。
 
3番のシルクラインが矢のように飛びますし、PVCでも4番のWFならブーンという感じで、
 
ラインが先端まで生き生きしてます。
 
ルアーのようにフライのポイントに投入できます。(おかしいかな?)
 
ニンマリします。
 
193や201の感触も良かったですし、独自テーパーもDivineのFariyのように柔良く剛を制す系で
 
是非ライン通して振ってみたいですね。
 
Kadaさん ありがとうございました。
 
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五角の鬼才 宮崎トラウトマン  1

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大分県にお住まいの宮崎公一さんが作られるトラウトマンロッド、
 
5画のバンブーフェルールは類を見ません。
 
写真でお見せしているのは、定番ではなくプロトタイプのロッドで、
 
7.1ftの4番です。
 
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まずケースを見てください。
 
手縫いの皮のキャップに、ロッドテイップがあたる部分はムートンの施されています。
 
私の知り限り、アメリカではフィリプソン社のピアレスのロッドケースが蓋の裏側にムートンが
 
あしらわれていました。
 
もう40年以上も前です。
 
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なにか寝床からモショモショと顔を出す子供のようなあどけなさが、とても使い手の心をくすぐります。
 
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透けるオリーブにレッドのトリム、センスのよさが光ります。
 
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レナード張りの厚手のコットン生地にライトブルーカラーの糸による縫い目が嬉しいですね。
 
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そしてペンタゴンのバンブーフェルール、洗練された中にも、強度を意識した安定感が感じられます。
 
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続く
 

P.Y.M

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最近のebayはひと昔ほどビッグネームのVintageものが出なくなりましたが、
 
久しぶりに凄いロッドが出ていました。
 
ポール・ヤングのミッジです。
 
ジャック・ヤングやサマーズではなく、ポールの手によるロッドです。
 
50年代中期までの作品、若い番号がそれを物語っています。
 
オーブンでこんがり焼き上がったローストチキンのような肌合いに、ゴールド/カパーのトリミング、
 
習いたての習字のようなインスクリプション(要するに字が下手・・・だから味わいがある)、
 
真っ黒なフェルール、オリジナルのロッドケースにロッドバッグ
 
・・・・こんな完璧で綺麗なミッジを見たことがありません。
 
あまりにも美しくて迫力あるので写真を拝借してまいりました。(J. ピカードさん恐縮です)
 
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大興奮!
 
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完璧!
 
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 別名 Little Giant。
 
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何故かさまになるヘタウマ文字。
 
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相当な値段になりそうです。
 

五角の鬼才 宮崎トラウトマン  2

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コルクにはたくさん穴がいていますがデモロッドなのでそれはそれでOKです。
 
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どうしてトラウトマンという名称になったのでしょう。 鱒男さん???
 
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とてもいい感じのロッドです。
 
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リールシートはやせ細らないように1本入っています。
 
非常にフィット感ある素晴らしいシートです。
 
リールが安心してくっついている感じです。
 
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キャスティングですが、アクセルに少し余裕のあるキャデラックのような滑らかな滑り出しに、
 
気が付くとスーとラインが伸びています。
 
窓の景色はゆっくり動いているようで、メーターを見ると150km・・・・・・
 
ラインの動きはまさにこの窓の外を眺めているように、エレガントです。
 
4番指定ですが、WF4,ないしDT3がいいですね。
 
恐らく、この五角にパワーがあるのだと思います。
 
五角といえばユスランをはじめウジニッキが有名ですが、
 
ウジニッキの五角にも感じる独特の余裕、
 
それは六角にみるロッドパワーとは明らかに違います。
 
トルクというより、排気量が大きいエンジンを搭載しているため、極めて走りが滑らかで静か、
 
そんな感じのロッドです。
 
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トラウトマンロッドの宮崎さん、今後の作品にますます期待の掛かるビルダーさんだと思います。
 

ebay 雑感

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トホホ・・・なかなか釣りにいけません。
 
そこでまたまたebayに。
少し潮が動き出したのか、いいものが流通するようになりました。
 
先日アップしましたヤングのミッジの次に、何と幻の7フィートのPrincessがでていました。
私、はじめて写真を見ましたが、一発で一目惚れです。
 
売っているビルダーのピカードさんも興奮気味です。
説明によれば15-20本しか製造されておらず、この状態での入手は今後ありえない。(そうでしょう)
 
#4-5ラインをアウトスタンディングにキャストするとのこと、。
そして落札価格は驚きのUS$7650・・・・60万円。 Wow !
 
 
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本当に凄い事になっていました。
50年代、ポールヤングご存命の時のものです。
 
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すばらしい!!!!!!
 このころです、パーフェクショニストとか、ドリッグスとか、マーサマリエとかでてきたのは。
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もう一枚。
 
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これだけオリジナルな状態できれいに保存されていたのは嬉しい事ですが、一体誰の手に渡ったか?
 
さて、お次は真逆で普及版の帝王、ホッロックス・イボットソンのトンカクイーンです。
といっても、同社のラインナップでは高級な部類です。
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黄金色の肌に白い文字、これだけでぞくぞくしますね。
白文字を用いたのはエドワードと同社だけ。
 
エドワードではグリップ側からテイップに向けて文字が走りますが、ホッロックス・イボットソンは逆で
グリップに向けて文字が走ります。
 
あと、デカル(スタンプシール)ですが、このジャンピング・トラウトが付いているモデルは珍しく、
大恐慌のあった1929年までしか使用されなかったものです。
 
さらに、グリップのプラスチック(セルロイド)も戦前作の証です。
人気が高いのも頷けます。
 
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あと、絞り金型のフェルール・・・・・いい感じです。
ムニュっと入ります。
 
抜くときはキャリー・パミュパミュ・・・失礼、ポン、ポン、ポンです。 
1920年代当時でフェルールをしならせるなんて、なんて進んだ考えだったのでしょうか。
 
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もう一枚。
 
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もう少し続けようと思いましたが、一回にアップできる写真の容量が一杯となりました。

がんばれ養沢川 その1

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フライの雑誌の堀内編集長から、養沢川のコテージと、その下流域にある秋川国際ます釣り場の
 
メインハウスが放火により全焼した教えてもらったのが先週水曜日です。
 
気が気ではなかった。
 
大変お世話になってきた釣り場、仕事にかまけてここ4‐5年ご無沙汰していました。
 
 
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本日5月6日(日)に行ってまいりました。
 
現場は焦げた匂いがまだ残っています。
 
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信じられない。
 
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うッそー。
 
本当にひどい。
 
許せない。
 
しかしけが人がいなくて本当に幸いでした。
 
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そして赤十字のテントで朝早くから女性陣ががんばってくれています。
 
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続く
 

がんばれ養沢川 その2

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6時10分、手続き10番、バッジがないのでリボンをもらって久しぶりにロッドを振ります。
 
本日は加田ミッジの初デビュー。
 
思ったところに投げれてとっても良かったですよ。
 
しかし連休最後なのか今日は人が溢れかえっています。
 
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昨日も叩かれているのか、劇シブです。
 
しかしこの大岩のちょっと先にある深みのある瀬で山女魚25センチ釣りましたよ。
 
そんなこんなしているうちに突然雲行きが怪しくなり大粒の雨が。
 
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釣り場の途中にある木の子屋さんで雨宿り兼昼食。
 
評判の手打ちそばと手打ちうどん。
 
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座るとすぐに突き出しが。
 
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腰のある手打ちそば。
 
好きなので大盛りいってしまいました。750円。
 
汁につけておいしいのは当然ですが、そのまま塩を掛けてそばを食してもGood!
 
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うどやもみじの葉、たけのこ、かぼちゃ、ナスなどフレッシュな野菜のてんぷら(小)は300円とお得。
 
ゆで卵も50円でOKです。
 
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一生懸命うどんを切るおやっさん。
 
切る前はうどんの上に乗って足で何度もこねてました。
 
・・・・あれれ『がんばれ養沢川』のレポートが食べログになっちゃったぞ。
 
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こんなのいるんだ。
 
ということで、お腹が一杯になったとたんビールが飲みたくなり、
 
早く帰ろうとうことで、釣りを切り上げました。
 
釣れないから帰るのだと思うでしょう。 
 
ちがいます。
 
適度にちゃんと釣りましたからね。もちろんドライでも。
 
山女魚2匹、レインボー1匹、痛恨2匹(ばらし)。
 
まあ昔はホームグラウンドでしたから・・・・・養沢は厳しい時の釣り方があるのですよ。へへ。
 
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また晴れてきました。
 
戻るとテントが仮設小屋に。
 
引田天功が来ていたのでは?
 
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ずっと支えてくれている女性陣4人。
 
大変なのに絶やさぬ笑顔がとってもすてきです。
 
ありがとうございます。
 
がんばってください。
 
また応援しに参ります・・・(って釣りするだけじゃないか)
 
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A Graceful Rise (気品あるライズ) Women in Fly Fishing

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米国バーモント州マンチェスターにあるThe American Museum of Fly Fishingでは
フライフィッシング界で活躍する50人の女性に関する展示を今年度一杯行っています。
 
A Graceful Rise
Women in Fly Fishing Yesterday, Today and Tomorrow
 
さすが懐が深いですね。
 
Youtubeに50人の女性のうち3人のインタビューが出ていましたのでアップしました。
フライショップを経営する女性、フライフィッシングののエッセイを書く女性、フライロッドを製作する女性、
フライタイイングやフライフィッシングをアートにする女性。
 
日本でもフライフィッシングを愛するあるいは関係する女性の特集があってもいいかなと思いました。
 
 
 
 
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