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Channel: シェフのフライロッドの世界
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スコット 

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明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。



2012年の初振りはスコットのカーボンロッドでした。

場所が高いところで、ちょっと風もあったので、今までに振ったことのないカーボンをと思い、

昔の、と言っても一度も使用されたことのないロッドですが、G883を繋いで見ました。

しかしこの艶かしさはいったいどこから来るのでしょうか。

爬虫類と言うか、団子虫の節と言うか、不思議で独特のオーラを放っています。

同じアンサンドでもOrvisとは違いますね。




スコット社(Scott PoweR-Ply Company)についてはご存知の方が非常に多いかと思います。

現在はコロラドに本社がありますが、もとはウェストコーストがサンフランシスコの会社で、

1974年に当時62歳であったハリー・ウィルソン(Harry Wilson)が設立しました。

Scottは彼の息子の名前、PoweR-Plyはハリーが作ろうとしていたリールの名称で、

もしかするとSeamasterのようなリールを主体とした会社になっていたかもしれません。

それはさておき、彼はCalifornia Institute of Technology(カルフォルニア工科大学)

で航空工学を学び、なんとUniversity of Chicago (シカゴ大学)でマーケティングを専攻して

MBAを取得します。

彼は技術者としては当時既に成功しており、技術もビジネスもわかるスーパーマンだったわけです。

そこに最初の働き手としてラリー・ケニー(Larry Kenny)が参加します。

ハリーは独特のフレックス・フェルール(スピゴットフェルール/いわゆる印籠繋ぎですね)

を開発し、このラリーとのコンビで素晴らしいグラスロッドを世に送り出し、

数年のうちにScott社を大きく成長させます。

同社はもともとハリーの倉庫でロッドを仕上げていたようなメーカーでしたから、

フライロッドのApple社と言えるかもしれません。

話を端折りますが、ハリーは脳卒中で1986年に倒れ、車椅子生活を余儀なくされます。

87年には、ハリーは所有する株式を第三者に譲渡(フォード自動車)します。

したがって87年以降はパートナーであったラリーが会社の切り盛りをしていきます。

しかしそのラリーも1993年に持ち株を手放し、1996年まで取締役として残ったものの、

経営の一線から外れる事になります。

Scott社を新たに率いているのは80年代から同社に勤めているジム・バーチー(Jim Bartschii.)です。

以上の話はVictor JohnsonのFiberglass Fly Rodに書かれており、いろいろな場所で

参照されています。 



さて、ラリー・ケニーによればスコット社のグラスロッドは5つの世代に分類されるそうです。

これはファイバーグラスフライロッドダーズフォーラムからの抜粋です。

1)1973年から1976年頃に掛けてのイエローグラスで、やや琥珀色ないしオレンジががっている。カルフォルニアタックル社がスコット向けに製作していたブランクで、eグラス、ポリエステルレジン、マンドレルの設計はハリー・ウィルソン。

2)同じ素材、同じマンドレル、同じパターン、若干緑ががったイエローグラスで、従前との違いは染料だけ。1976年から1977年まで。

3)ブラウンのグラスロッドでこれも染料が異なるだけ。会社側が意識的に変更をしたもので、カルフォルニアタックル社が同じマンドレル、同じパターンで製造。1978年から1981年まで。

4)茶色のsグラスで、スコット自身が新しいマンドレルで製造。1993年から発売されたが、ハリー・ウィルソン時代のようなインターナルスリーブではない。1993年以降。

5)ブラックのsグラスで、同じ新しいマンドレル。1996年以降。同様にインターナルスリーブではない。

最近また復刻版ということで古い時代のイエローグラスが発売されましたが、これはスピゴットのイエローで恐らくsグラス・・・ということでこれは第6世代目になるのかもしれません。

いずれにせよeグラスかsグラスの2つしかないわけですね。

70年代の1)~3)までのロッドは下記に見ることができます。

http://fiberglassflyrodders.com/forum/viewtopic.php?f=1&t=6887/San-Francisco-Scott-fiberglass

Scott社はHardyと同じく、詳しい方がたくさんおられるので、あまり突っ込みません。

ではなく、突っ込めません。

続く。

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