みなさま、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
さて、ヨーロッパ大陸もバンブーロッドブーム。スイスばかりではありません。
お隣のイタリアは最近すごいことになっています。
バンブーフェルール、カーボンフェルールと最新のBamboo Journalではイタリアでの
トレンドが紹介されています。(本当は年4回発行の予定が昨年は2回にとどまってしまいました。)
デンマークからはビヤネ・フリースが、アルゼンチンからはマルチェロ・カルヴィエロがバンブーフェルール
について詳細に語っています。
また、カナダからはダブルハンドのボブ・クレイが自分を語ります。
彼は確かイタリア移民なんですね。
IBRA (ITALIAN BAMBOO ROD ASSOCIATION / イタリアバンブーロッド協会)より
写真の掲載、翻訳、内容紹介の全面的な許諾を頂きました。
IBRAのホームページ
http://www.rodmakers.it/
Bamboo Rod Journal のダウンロードはこちらから。画像が多いため少しだけ時間が掛かります。
http://www.rodmakers.eu/
それでは、フリースさんの記事から一部をご紹介します。
History
At the time this story toke place I was 46 years old
and had been building rodsfor more than 20 years.
Through the years I hadperfected my working methods
and was convinced that theonly improvement of
my work from now on wouldcome from growing experience.
But a travel, exchangingideas and thoughts
with other human beings, andsuddenly out of nowhere
inspiration shows her lovelyface and things
change! I came up with anidea that not only improved
the performance and spirit ofmy rods but hopefully
also will become aninspiration for the modern bamboo
fly rod of the future.
The idea for my FIBH came tome during a visit to
Japan.
(以下英文は省略します)
私が(ビヤネ・フリース氏)バンブー・フェルールを製作しようと思ったのは 46歳の時で、ビルダーとしては既に20年のキャリアがありました。バンブーロッドフェルールのアイディアは日本を訪問した時に生まれました。
1998年に私たち夫婦を日本に招待してくれたのは野々垣ご夫妻で、水戸に滞在しました。そして既に私のロッドのクライエントであった島崎憲司郎さん、彼はTIMECOのフックデザイナーで、“A FlyFishers View”という画期的な本の作者であり、発明に富むフライタイヤーで、フラメンコ奏者・・・・ から招待を受けていました。
「ビヤネどう思う?」。
それは中村羽舟さんが作ったロッドでした。島崎さんが私が製作したロッドを羽舟さんに何本か見せたらしく、中村さんは自分でもフライロッドを作ってみたいと思ったそうです。私は中村さんの作品に強い衝撃を受けました。
中村さんは竹がどういうものかをよく理解されています。フェルールのメスの部分は真竹製で、直径6~7ミリの穴が作られています。バット側の先端部とテイップ側の付け根をそれぞれ同じ直径に削り、メスのフェルールをバット側に装着します。ニッケルのフェルールを真竹で作成し、バットに接着したようなものです。メスの部分はシルクスレッドで巻かれ、何回もバーニッシュされています。
竹は非常に強いようで、時として非常に弱いものです。しかしシルクスレッドの補強巻きには目が開かれました。メスのフェルールを維持するのにそれで十分なのだと。しかし中村さんのフェルールは単にニッケルシルバーを竹に変えただけなので、ロッドのパワーファイバーが削られて断絶されるという点が気になりました。せっかくフェルールに竹を使用しているのだから・・。
その晩、頭が巡り布団に入っても寝ることが出来ませんでした。バットの先端をスウェルさせ、そこに丸い穴の開けてテイップを差し込むのはどうだろうか。しかしそれだとやはりパワーファイバーを取ってしまう。であれば6角の穴を作ればよいのか?6つのストリップの内側を削って、それを組み上げたら中が6角形になっている? しかしやるしかないだろう。それなら昔のグラスロッドのようにティップ側をメスにするのはどうだろう?
翌日そのアイディアを絵にして島崎さんに説明しました。
すると彼は「バンブー・ヘキサフェルール!!!」と名付けたらどうだと言いました。
このようにしてF.I.B.Hは日本での眠れぬ夜に誕生したのでした。
(なお羽舟さんのフェルールも、F.I.B.Hの影響もあってその後大きく変わっています。本当に素晴らしい事です。)
それにしてもこのように日本の話がフリース氏を通じてイタリア(もちろんスイスやドイツのビルダーさんも見ています)のビルダーさんたちにシェアされるのは感激ですね。