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Channel: シェフのフライロッドの世界
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Dr.Todd Larson

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タッド・ラーソン博士(Dr. Todd. E.A. Larson)はオハイオ州シンシナティーにあるザビエル大学
(XAVIER UNIVERSITY)で歴史の教鞭を取る大学の先生です。
と同時にホワイトフィッシュ・プレス(The Whitefish Press)という出版社の経営者でもあります。
ちなみにミドルネームのAはAraiの頭文字で、お母様は日本人の翻訳家です。

さて、第二次世界大戦後のアメリカは、映画、ボーリング、キャンピング、フィッシングなど
レジャーブームがすさまじい勢いで全土に広がっていきました。
フィッシングに関しては、バスフィッシングを中心とするルアーフィッシング、そしてトラウト
フィッシングを中心とするフライフィッシングが大きく花開いていきます。

フライではレナードやポール・ヤングなど、紳士服で言うところの銀座英国屋のような高級店は
別として、ヘドン、フィリプソン、ライト&マクギル、サウスベンド、H&I、アブガルシアなどの
ブランドが広く普及していましたが、ルアーの世界ではフライでのブランドに加えて
数多くの中小のブランドが咲き乱れました。

何を言いたいの? タッド博士は全てを熟知しています。
つまり彼ほどアメリカの釣りの歴史全般に目を配っている人はいないのではないか、ということです。
ルアーの専門家は数多くいるにしても、フライについても同じ深度で明るい人は少ないと思います。
また釣りの周辺情報にも異常なほど詳しいのです。
歴史学者ですが、当然人文地理にも明るいわけです。
彼のFishing for History :The History of Fishing and Fishing Tackleというサイトは現在のところ毎日更新されており、その内容はこれでもかというほどにディープです。
ルアー、フライ、リール、古い釣り雑誌、オールド・タックルメーカーの宣伝広告などなど。
今日は何が出てくるのかと思っていると、合鴨の子供がノーザンパイクに襲われる映像をアップしたり、あるいはここでも紹介したBell’sウィスキーの宣伝を見つけてきたり、
American Fishing Encyclopediaそのものです。
しかし底流に脈々と流れるものは、アメリカの伝統を次世代に引き継いでいこうという彼の熱い
想いです。

是非訪れて見てください。
http://fishinghistory.blogspot.com/

さて、出版社のホワイトフィッシュ・プレスは釣りの歴史や釣り道具にまつわる様々な話題をカバー
するために2006年に設立された出版社です。
釣りとか釣具といっても、釣針の話もあれば、魚を捕らえる捕獲瓶(Glass Minnow Traps)の本も
出しており、伝統を後世に伝えていこうとするタッド氏の信念が伝わってきます。

ごく限られた数しか販売が期待できない特殊なテーマを本にするというビジネスリスクを
どうようにマネジメントしているのか、個人的には興味が湧きます。
恐らくそれぞれのテーマに関わるマーケット規模を適正に把握していることと、
コスト・コントロールを効かせているとしか思い浮かびません。
いずれにせよ、この手の出版は編集者の強い意志とあくなき熱意がないと続かないものだと思います。

http://www.whitefishpress.com/

あと、バンブーロッドに関する全米最大のClassic Fly Rod ForumもWhitefishpressの運営と
なっています。

http://clarksclassicflyrodforum.yuku.com/

1枚目の写真はご本人とお嬢様とでタックルショーを訪れ、ジッターバグを見ているところ。
次はジッターバグでお嬢さんがバスを釣り上げたところ。
3枚目はジェフ・ハットンのグラスロッドに魂を入れたところ。
4枚目はそのロッドでバスを釣り上げた写真。
(記事・写真掲載はご本人の了解を頂いてます。)

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